フォニックスとは?英語の「ひらがな」で、読む力を育てる
フォニックスとは、英語の文字と音のつながりのルールです。
文字を見て音が分かれば、初めて見る単語でも、自分で声に出して読めるようになります。
科学的リーディングでも、読む力を育てる柱の一つとされています。
フォニックスは、英語の「ひらがな」
日本の子どもは、ひらがなを覚えると、「ね」と「こ」を見て「ねこ」と読めます。知らないことばでも、声に出して読めます。
英語も同じです。それぞれの文字が表す音を知れば、単語が読めるようになります。だから私は、フォニックスを英語の「ひらがな」と呼んでいます。
覚えるのは、文字の「名前」ではなく「音」
アルファベットには、「名前」と「音」があります。ABCの歌で覚えるのは、名前のほうです。
a名前は「エイ」、音は「ア」c名前は「シー」、音は「クッ」t名前は「ティー」、音は「トゥッ」
名前のまま読むと、cat は「シー・エイ・ティー」になり、単語になりません。音をつなげると、cat が読めます。読むために必要なのは、文字の「音」です。
ABCの歌が歌えるのに単語が読めないのは、名前は知っていても、音をまだ知らないからです。次の段階に進む時期が来た、というサインです。
26文字=26音ではない
英語には、1つの文字がいくつかの音を持つことがあります。たとえば c は、cat では「クッ」ですが、city では「ス」に近い音になります。
また、sh や ch のように、2つの文字で1つの音を表すこともあります。文字の数より、音の数のほうが多いのです。
だからフォニックスは、一度に全部ではなく、決まった順番で少しずつ覚えていきます。
短い単語は「かたまり」で読む(ワードファミリー)
cat を、c・a・t と1文字ずつ区切って読む必要はありません。TLCフォニックスでは、c と at の2つのかたまりで読みます。
at が読めれば、最初の音を変えるだけで、hat、bat、mat も読めます。同じかたまりを持つ単語のグループを「ワードファミリー」と呼びます。「読めた!」が一気に増えるので、子どもの自信につながります。
おうちでの練習は「英語だけ」で
フォニックスの練習は、英語だけで行います。日本語と英語をまぜると、子どもが混乱するからです。
- 基本:文字を指さして、音だけを言う(a を指さして「ア」、c を指さして「クッ」)
- 慣れてきたら:文字を指さして、名前と音をセットで言う(「エイ セッズ ア」= A says /a/)
「これは、ア」のように、日本語を足す必要はありません。発音のお手本は、動画や音声に任せて大丈夫です。言えたら、笑顔でほめてあげてください。
フォニックスだけでは、本は読めない
フォニックスを覚えると、読める単語がぐんと増えます。ただ、英語の本には、the や was のように、ルールどおりに読めないのによく出る単語があります。これが「サイトワーズ」です。英語の「漢字」のようなもので、まるごと覚えます。
ひらがな(フォニックス)と、漢字(サイトワーズ)。両方そろって、英語の本が読めるようになります。
▶ サイトワーズとは?
フォニックスは、読む力の5つの段階のどこ?
科学的リーディングでは、読む力は年齢ではなく「段階」で育つと考えます。フォニックスは、②と③の段階の中心です。
- 1
音を聞き分けることばの中の小さな音に気づく段階です。
- 2
文字と音をつなげる(フォニックス)文字を見て、その音が言える段階です。
- 3
単語を読む(フォニックスとサイトワーズ)短い単語を読み、よく出る単語はまるごと覚えます。
- 4
文を読むフォニックスとサイトワーズが含まれる、短い文を読む段階です。
- 5
やさしい本を大量に読むすらすら読む力が育ち、内容を楽しめるようになる段階です。
▶ 科学的リーディングとは?(5つの段階をくわしく)
フォニックスについて、よくある質問
- Q. フォニックスは何歳から始められますか?
- A. 年齢よりも「今の段階」が大切です。ことばの中の音に気づけるようになり、文字に興味を持ったら始めどきです。英語よみ力診断で、今の段階を確かめられます(3〜9歳。まだすらすら読めない子は、9歳以上でもOK)。
- Q. ABCの歌で、文字の名前を先に覚えてもいいですか?
- A. 名前を知っていることは、むだにはなりません。ただ、読むためには「音」が必要です。慣れてきたら「A says /a/」のように、名前と音をセットで言う練習で、両方をつなげられます。
- Q. 親の発音に自信がありません。
- A. 大丈夫です。発音のお手本は、動画や音声に任せてください。親の役割は、毎日短く続けることと、できたことをほめることです。
- Q. ローマ字とまざりませんか?
- A. 大切なのは、ローマ字を習う前に、フォニックスでアルファベットの「音」をインプットしておくことです。アルファベットを見た瞬間に、英語の正しい音が浮かぶようにしておきましょう。ローマ字は、日本語の音をアルファベットで書くためのルールです。英語の音が先に入っていれば、あとからローマ字を習っても、英語を読むときの土台はぶれません。
- Q. フォニックスは、どれくらいで身につきますか?
- A. 進み方には個人差があります。大切なのは、毎日短い時間で続けることです。TLCフォニックスは、動画・クイズ・ワークシートで、1日約10分から取り組めます。
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この記事を書いた人
船津徹(ふなつ・とおる)
TLCフォニックス開発者。英語教育歴30年以上。ハワイで25年間、英語教室「TLC for Kids」を運営し、5,000人以上の子どもを指導。2002年から、科学的リーディングに基づく指導を実践。現在はオンラインで、アメリカ・ヨーロッパ・日本の子どもたちを指導しています。
著書に『新版 世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方』(大和書房)ほか。ダイヤモンド・オンラインのコラムニスト。2026年12月、ダイヤモンド社より、科学的リーディングに基づくおうち英語の新刊を出版予定。
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