子ども英語教育・バイリンガル教育・お役立ち情報

フォニックスとはどんな学習法ですか?

日本語の文字学習が「かな五十音」から始まるように、英語のリーディング学習もアルファベットの「文字」と「音」の関係を学ぶことからスタートします。英語圏ではこれを「フォニックス」と呼びます。ひらがなを知らずに日本語の本が読めないように、フォニックスを学ばなければ正しい発音で英語の本が読めるようになりません。

フォニックスには「44種類の音」と「120通りの綴りパターン」があります。これらを段階的、系統的に学べるのがTLCフォニックスの優れた部分です。フォニックスの基本であるアルファベット26文字、3文字単語、4文字単語と、読める単語が増えることで、子どもは「自分で読めた!」という自信を積み上げていくことができます。

まずはフォニックスの基本をご説明します。英語のアルファベットには2通りの読み方があります。1つは誰もが知っている「ABCDE=エイ ビー シー ディー イー」です。これはアルファベットの「名前」であり、フォニックスで習う「44種類の音」ではありません。アルファベットの「名前」を覚えても簡単な三文字単語すら読むことができません。「CAT」は「シー・エイ・ティー」となってしまいます。

もう一つの読み方が「abcde=ア ブ ク ド エ」で、これがアルファベットの「音」です。これを学ぶのが「フォニックス」です。フォニックスを学ぶことで「CAT」=「クアット」と正しい発音で、英単語が読めるようになります。

サイトワーズとはどんな学習法ですか?

「サイトワーズ」は英語の頻出単語のことです。本や雑誌やウェブサイトでよく見る単語を、よく出る順番に学んでいくのがサイトワーズ学習です。フォニックスは単語を分解して、例えば「CAT」を「ク/ア/ト」と教えますが、サイトワーズは「CAT」を「キャット」と丸ごと一目で読めるように指導するのが大きな違いです。

サイトワーズは学習効果が高く、頻出300単語を覚えるだけで、子ども向けの本であれば70〜80%読めるようになります。頻出1000単語を覚えると、あらゆる本の約90%読めるようになるという研究報告もあります。サイトワーズにはいくつか異なるリストがありますが、最も一般的なのが「Dolch Sight Words」約300語のリストと「Dr. Fry’s Instant Words」1000単語のリストです。

英語ネイティブの子どもたちが誰もが最初に読む本として知られる「Dr. Seuss・ドクタースース」シリーズは意図的にDolchサイトワーズを意図的に多用して物語が作られています。つまりサイトワーズを学ぶことで簡単な本がすぐに読めるようになるのです。サイトワーズで「英語の本が読める!」という感動を子どもたちに体験させることができます。

TLCフォニックスには、DolchサイトワーズとDr. Fryサイトワーズの二つがカリキュラムに組み込まれています。子どもは学習を進める中でごく自然に英語の本を読むための知識と正しい発音を身につけることができます!

バイリンガルに育てる秘訣を教えてください!

英語を日常的に話すことのない日本でバイリンガルに育てるには、英語のリーディング力を身につけることが近道です。英語の本が読めるようになれば、子どもはいつでも、どこでも、いくらでも、自学自習で英語力を伸ばしていくことができるのです。

英語のリーディング力を身につけるには順序があります。フォニックスでアルファベットの正しい音を覚え、ライミング(音韻)で読める単語数を増やしていきます。同時に英語の頻出単語である「サイトワーズ」学習で英語の本を読む訓練を導入します。

フォニックスとサイトワーズを一通り学習すると、子どもは簡単な本が自力で読めるようになります。そこから先は子どもの興味や関心にあった本を「多読」することで英語の読解力と文章を早いスピードで読む力を鍛えていきます。

リーディング練習で大切なのが、レベルに合った本を選ぶこと。難しすぎる本は子どもを本嫌いにする原因ですから注意しましょう。子ども向けの本には読書レベルが記載されていますから、スムーズに読めるレベルの本を両親が選んであげてください。

英語を第二言語で学ぶ子どもにおすすめなのは「リーダーズ」と呼ばれるシリーズです。これは人気キャラクターが登場するストーリーやクラシック文学を簡素な英語で書き直した本です。ペンギンリーダーズやオックスフォードリーダーズなど、アメリカの図書館に行けば必ず置いてありますから、ぜひ活用してください。

どれだけ勉強すればバイリンガルになれますか?

学習英語力(英語の読み書き力)の獲得には「5年〜7年の学習期間」が必要と考えられています。「そんなに長くかかるの?」と驚かれた方のために、英語習得に要する学習時間について解説しておきます。

アメリカ国務省の付属機関FSI(Foreign Service Institute)の調査によると、英語を母語とする研修生が、日常生活に差し支えないレベルの日本語力を獲得するまでに要した平均学習時間は2400〜2760時間でした。同様に、日本人が満足な英語力を身につけるにも「2500時間前後」の学習が必要であると考えられています。

日本人が学校教育(小中高)を通じて英語を学習する時間は、多い生徒で1500時間(授業+宿題+自主学習)と言われています。英語習得に必要な学習時間が2500時間ですから、学校の授業では足りない「プラス1000時間」を何らかの方法で達成する必要があるのです。

もし高校時代に1年間留学したらどうでしょうか?留学先では、学校の授業や宿題で毎日8時間は「主体的に」英語に触れることになります。8時間×185日(アメリカの1年間の平均授業日数)=1480時間となり見事目標達成!です。日本の小中高を通して約10年間、真面目に英語を勉強して、さらに1年間の海外留学を実現できれば「CEFR B2レベル=英検準1級」の英語力を身につけることができます。

では留学が難しい場合はどうしたらよいのでしょうか?その答えが「リーディング」です。英語の読書を通して「プラス1000時間」を達成すればよいのです。英語の本がスラスラと読めるようになれば、英語教育は成功です。そこから先は、子どもが好きな本、興味を持ちそうな本を親が買い与えればよいのです。毎日30分のリーディングを実践すれば、目標の「プラス1000時間」を「5年間強」で達成できます。(0.5時間×365日×5年=912.5時間)

英語学習の正しい順序を教えてください!

子どもに英語力を身につけさせようと思い立っても多くの親はどこから始めればよいのか分かりません。そんな時は日本語の文字学習を思い出してください。日本語の文字学習が「かな五十音」→「漢字」→「本読み」と進むように、英語学習にも「正しい順序」があります。それが以下の3ステップです。

ステップ1)フォニックス →英単語の正しい発音を教える

ステップ2)サイトワーズ →頻出単語を一目で読めるように教える

ステップ3)リーディングフルエンシー →多読で読書力を鍛える

フォニックスは日本語の「かな五十音」に該当するものです。「A=ア」「B=ブッ」「C=クッ」とアルファベット26文字の「音」を教えます。 「CAT」をフォニックスでは「C=クッ」「A=ア」「T=ト」と分解して教えます。フォニックスを学ぶことで、子どもは「知らない単語でも音声化できる」ようになります。英語は日本語と違って「漢字」がありませんから、フォニックスを一通り覚えれば、幼稚園児でも大人向けの本や新聞が読めるようになります。

フォニックスでアルファベット26文字の音を覚えたら、次のステップが「サイトワーズ」です。「サイトワーズ」は英語の頻出単語のことです。よく使われる単語を、よく使われる順に覚えるというシンプルな学習です。

 サイトワーズ(Sight Words)は「一目で読める単語」という意味です。フォニックスは単語を分解して読みますが、サイトワーズでは「CAT」を「キャット」と丸暗記します。サイトワーズは最重要単語ですから、瞬時に読めるように繰り返し訓練することが重要です。

フォニックスとサイトワーズを学習すると、簡単な本が読めるようになります。次のステップが「リーディング・フルエンシー」です。リーディング・フルエンシーは「読みの流暢さ」という意味です。「早いスピードで、流暢に、感情を込めて本が読めるようにする」学習です。リーディングフルエンシーは「簡単で短い本の多読」で鍛えることができます。本を読む量が増え、英語の活字に慣れてくると、文章をいくつかの単語のかたまりで読み進められるようになります。すると、読書スピードが向上し、流暢さが増し、感情移入して本が読めるようになります。

英語学習は何歳からスタートするのがベストですか?

英語を身につける適齢期は3歳だ、6歳だ、いや9歳だ、など様々な意見があります。私は英語教育に30年携わっていますが、幼い頃から英語教室に通わせて高額な授業料を払ってきたのに、結局英語が身につかなかった!という子どもをたくさん見てきました。

年齢の小さい子どもほど短期間で「英会話力」が身につくことは事実です。しかし幼い頃に身につけた英会話力というのは、日常的に英語を使う環境がなければ、あっという間に失ってしまうのです。日常的に英語を話すことがない日本で、子どもに英語教育を行う場合、大切なのはスタートする年齢よりも「英語のどの技能を身につけるか」なのです。

私の友人で0歳〜6歳までアメリカで過ごした人がいます。2歳からアメリカのプリスクールに通い、4歳の頃には英語ペラペラに育っていました。その頃は「自分はアメリカ人だ」と思っていたそうです。ところが日本に戻って小学校に通い始めたら、あれだけ得意だった英語をすっかり忘れてしまった!というのです。この友人は今は大人ですが、残念ながら子どもの頃のように流暢に英語を話すことはできません。乳幼児期に英会話ができても、日本の学校に通い、日本語しか話さない環境にいると、英語会話力は必ず衰えてしまいます。

5歳の女の子が父親の海外転勤に伴ってハワイに移り住んできました。日本では英語を習っていなかったので英語力はゼロでした。両親は「3年間の海外滞在転中に、最大限の英語力を身につけさせたい」と希望していました。「英会話力は帰国すれば衰えてしまう。しかし英語のリーディング力を身につければ、日本に戻っても英語力を失う心配はありません」私がそう説明すると、両親は納得し、TLC for Kidsに通うことを決断しました。

その子はハワイの公立小学校に通いながら、TLC for Kidsで「リーディング力」の集中レッスンを3年間受けました。その結果、日本に帰国する8歳の時には、アメリカの小学4年生レベルの「リーディング力」を身につけることができたのです!小学4年生レベルと言えば「ハリーポッター」を原書で読みこなせるレベルの読書力です!

この子は日本に帰国してすぐ英語検定試験を受験しました。結果は、日本の大学卒業レベルである「準1級」に楽々合格でした!ご両親からは「今でも英語の読書が大好きで、毎日リーディングを楽しんでいます!」という嬉しい報告をもらっています。追記:このお子さんは小学5年生で「英検1級」に合格しています!

子どもの英語教育の重点は「リーディング力の育成」です。英語の本をスラスラ読めるようになれば、英語の読書を通して、登場人物と英語で会話し、英語で思考を巡らせ、英語力を限りなく向上させていくことができるのです。英語教育を「いつ始めるか?」は大した問題ではありません。「どの技能を身につけるのか」の方がはるかに重要なのです。

英語下手な日本人に最適の英語学習法とは?

日本人の英語力が伸び悩んでいます。TOEFLの成績を見れば一目瞭然です。私が英語教育に関わり始めた30年前から日本人の英語力はほとんど変わらず、アジアで下から3〜4番目あたりをうろうろしています。グローバル化の進行によって、日本人全体の英語力は底上げはされていると感じますが、他のアジアの国々が急速に英語力を伸ばしているので、どうしても見劣りしてしまいます。

私は英語塾を経営していますから日本人の親から「どうしたら子どもに英語が身につくのですか?」としょっちゅう聞かれます。もちろん答えはいつでもどこでも同じです。

私「リーディングです。英語の本が読めるようになれば英語は身につきます!」

親「リスンニングやスピーキングはどうすればいいのですか!」

私「それも英語の本が読めれば解決です」

親「文法やライティングは身につかないでしょう??」

私「英語の本が読めれば文法もライティングも身につきます!」

親「リーディングは日本の学校に通えば誰でもできるようになりますよ!」

私「いや、日本人は英語がまともに読めません。私が言うリーディング力とは、ネイティブ向けに書かれた小説や新聞や雑誌を早いスピードで読み解ける力です。日本人が英語の小説をスラスラ読めますか?」

親「・・・」

いまだに多くの日本人が「英会話」に強い憧れを持っています。「英語をペラペラ話せるのはすごい!」「英語が話せるとカッコいい」だから子どもには「英語ペラペラになってほしい」と願います。でも英会話学校に何年通ってもほとんどの人は英語ペラペラにならないのです。もし本当に英会話学校で英語ペラペラになるならば日本人全体の英語レベルはもう少し向上しているはずです。

英語ペラペラになるには、英語を毎日使わなければならない環境に少なくとも1〜2年浸らなければ無理です。例えば子どもをインターナショナルスクールに通わせれば、毎日5〜6時間英語で授業を受けなければなりません。また友だちや先生とも「英語だけ」でコミュニケーションをとりますから、数年で英語ペラペラになるでしょう。でも日本で暮らすごく普通の家庭において1日5〜6時間、子どもを英語漬けにすることなど不可能なのです。

日本に住み、日本の学校に通う子どもが英語力を身につけるには、英会話よりも「英語のリーディング力」の育成に目を向けることが必要です。日本で実用的な英語力を身につけるには「リーディング力」を鍛える方法がベストです。英語の本が読めるようになれば、語彙が増え、読解力がつき、表現知識が増え、英語が身につくのです。

もちろん英語を「聞く力」と「話す力」もリーディングで身につきます。子どもは英語の本を読みながら英語を音声化しています。(黙読でも頭の中で音声化しています)音声化された英語を自分の耳で聞いていますから、スピーキングとリスニングも同時に鍛えられるのです。特に子ども向けの本は「会話文」が多いですから、本を読むだけで会話力も表現力も豊かになります。以下は英語圏の小学1年生レベルの本の一部ですが、臨場感ある英会話を「リーディング」で身につけることができます!

”Who do you have, Doug?" Harry whispered.

"I can't tell you. Didn't you hear the teacher?"

Harry made a face. "I told you!"

"No you didn't. I guessed yours." 

"Tell me!" Harry insisted.

"I can't."

"Then you are not my friend anymore," Harry said.